雨降りお月さん 雲の蔭(かげ)
お嫁(よめ)にゆくときゃ 誰(だれ)とゆく
ひとりで傘(からかさ) さしてゆく
傘ないときゃ 誰とゆく
シャラシャラ シャンシャン鈴つけた
お馬にゆられて 濡(ぬ)れてゆく
いそがにゃお馬よ 夜が明けよう
手綱(たづな)の下から ちょいと見たりゃ
お袖(そで)でお顔を 隠(かく)してる
お袖は濡れても 干(ほ)しゃ乾(かわ)く
雨降りお月さん 雲の蔭
お馬にゆられて 濡れてゆく
[ Romaji ]
夜のしっとりした空気の中で、月が雲にかくれる様子を思い浮かべると、旅立ちのときのどきどきと落ち着きが同時にやってきました。ひとりで傘をさす強さや、揺れる馬に身をゆだねる心細さが混ざり、鈴の音が小さな励ましになっていました。袖が濡れてもやがて乾くという描写は、つらい時期もいつかは収まるという安心を与えてくれました。夜明けを待つ静かな時間が、知らない道へ進む勇気をそっと育ててくれるように感じました。