ただ一面に立ちこめた 牧場の朝の霧の海
ポプラ並木のうっすりと 黒い底から 勇ましく
鐘が鳴る鳴る かんかんと
もう起出(おきだ)した小舎小舎(こやこや)の あたりに高い人の声
霧(きり)に包まれあちこちに 動く羊の 幾群(いくむれ)の
鈴が鳴る鳴る りんりんと
今さし昇る日の影に 夢からさめた森や山
あかい光に染められた 遠い野末に 牧童の
笛が鳴る鳴る ぴいぴいと
[ Romaji ]
朝の霧が一面を包む光景を思い浮かべると、まだ眠る世界が少しずつ目を覚ましたように感じました。遠くで鳴る鐘や羊の鈴が規則正しく重なり、冷たい空気に草の匂いや露のきらめきが混ざっていました。小屋の周りで交わされる人の声や笛の高い調べが朝の静けさを和らげ、赤く染まる山並みが新しい日を告げていました。外へ出て深く息を吸えば、今日も一歩踏み出せそうな力が湧いてくるように思いました。穏やかな営みがそこかしこにあって、見守られているような安心感もありました。