童(わらべ)は見たり 野なかの薔薇(ばら)
清らに咲ける その色愛(め)でつ
飽(あ)かずながむ
紅(くれない)におう 野なかの薔薇
手折(てお)りて往(ゆ)かん 野なかの薔薇
手折らば手折れ 思出(おもいで)ぐさに
君を刺さん
紅におう 野なかの薔薇
童は折りぬ 野なかの薔薇
折られてあわれ 清らの色香(いろか)
永久(とわ)にあせぬ
紅におう 野なかの薔薇
[ Romaji ]
野原に咲く小さな花の鮮やかな色がすっと伝わり、子どもの目で見つめる純粋な驚きが感じられました。手に取るときのためらいと優しい気持ちが同時に湧き、折ることが誰かの思い出になるという不思議な重みを考えさせられました。赤い色のはっきりした美しさが心に残り、時間が経っても忘れられない宝物のように思えました。自然のやさしさと人の感情がそっと寄り添い、静かに大切なことを教えてくれたように感じました。季節の中で見つけた一瞬が、後になって温かい記憶として戻ってくる気配がありました。