どれくらい時が過ぎたの?
春もいまは遠く
引き出しのなかであの日が
窮屈に褪せていく
忘れかけたはずの声も
気付けない痣になって
切れた糸をまだ手繰るように
うつろに夜は更けてく
絡めた指のささくれを
茶化したあと きみが
すこしだけ泣いたのは なぜ
知る術さえないのに
泳げない夢の深さに
仰向けで溺れてく
水面で揺れてるきみの影が
手を振る ああ いかないで
帰りたい場所はないけど
ここじゃもう息ができない
抱えたいたみを溢しながら
どこまで歩けばいい?
[ Romaji ]
季節が巡っても褪せることのない過去の記憶が、痣のように心に深く刻まれているのを感じました。知る術のない相手の涙の理由を、夜の深淵で溺れるように探し続ける姿が痛々しいほど純粋です。帰り道を見失い、水面に揺れる影を追いかける孤独な彷徨は、出口のない迷宮のようです。溢れ出す痛みを抱えたまま、どこまでも歩き続けなければならない宿命に、静かな共感を寄せました。