嗚呼(ああ) 渾(すべ)てを 愁(うれ)いて 天(そら)へ昇(のぼ)り行(ゆ)く
龍(りゅう)の面影(おもかげ)は 彼(あ)の蛟龍(みずち)の儘(まま)
微笑(ほほえ)みに宿(やど)した 引(ひ)き留(と)む想(おも)いを
掻(か)き消(け)す雨風(あまかぜ) 躊躇(ためら)いは偽薬(ぎやく)
幽遠(ゆうえん)の裁(さば)きの下(もと)に
滅(ほろ)び逝(ゆ)く我(われ)らを 救(すく)う者(もの)
永久(とわ)に行(ゆ)き帰(かえ)す 人(ひと)の過(あやま)ちの潮(しお)
贖(あがない) 其(そ)れすらも 被(かぶ)せて
殉(とな)ふ 浄潔(じょうけつ)は 責(せ)めて 餞(はなむけ)の印(かね)
纏(まと)いし 巫(かん)の衣(きぬ)を 染(そ)める 光(ひかり)よ
褪(あ)すまで 守(まも)り継(つ)ぐ 回生(かいせい)の綱(つな)を
幣(つい)える寸余(すんよ)に 解(と)き放(はな)つ 任(まけ)を
我(わ)が旨(むね)に窶(やつ)した 人々(ひとびと)の虚礼(きょれい)
万古(ばんこ)の泉(いずみ)が 懈怠(かいたい)を暴(あば)く
悠遠(ゆうえん)の堕胎(だたい)の如(ごと)き
驕(おご)り呉(く)る我(われ)らを 燃(も)やせ
永久(とわ)に行(ゆ)き帰(かえ)す 人(ひと)の過(あやま)ちの潮(しお)
贖(あがない) 其(そ)れすらも 被(かぶ)せて
殉(とな)ふ 浄潔(じょうけつ)は 責(せ)めて 餞(はなむけ)の印(かね)
纏(まと)いし 巫(かん)の衣(きぬ)を 染(そ)める 光(ひかり)よ
優婉(ゆうえん)な焔(ほむら)の如(ごと)く
滅(ほろ)び逝(ゆ)く我(われ)らを 灰(はい)にして
永久(とわ)に行(ゆ)き帰(かえ)す 人(ひと)の過(あやま)ちの潮(しお)
贖(あがない) 其(そ)れすらも 被(かぶ)せて
殉(とな)ふ 浄潔(じょうけつ)は 責(せ)めて 餞(はなむけ)の印(かね)
纏(まと)いし 巫(かん)の衣(きぬ)が 朱(あけ)に 染(そ)まりて
天(てん)を仰(あお)げ 満(み)ちる 粛清(きよめ)の威光(ひかり)
崇(あが)めし 鈍(なまくら)は 狂(たぶ)りて
唱(とな)う 救済(すくい)など 渾(すべ)て 砂上(さじょう)の桜(やぐら)
寄(よ)り臥(ふ)せ
此(こ)の星(ほし)を喰(く)らい 廻(めぐ)る 生命(いのち)よ