隣にいることすら気づかないまま
エウレカ
こんなに近くに
要無き事なのだと知らずに
縦んばその秋
朱に染まったとしても
それが正に玄だと思えたのならば
つひに行く道すがら
ただ風そよぎ なるにまかせ
費える時を漂い
何をか遺せたのだろう
“見るべきものは見つ”と
強がってみたりするけれど
つい頬を伝うのは何故
ただ花も人も
あくびが出るよな
とりとめないから
煙を吐きひと呼吸
月沈み
愛しきもの
ただ無常に露と消ゆ
朝焼けには鳥が詠うとも知らず
つひに行く道すがら
ただ風そよぎ なるにまかせ
費える時を漂い
何をか遺せたのだろう
笑えるほど無様だな
そんなのわかっちゃいるけれど
つい頬を伝うのは何故
ただ花も人も
悉く隠れ
夢のまた夢
[ Romaji ]
隣にいるのに気づかれない瞬間の切なさが静かに胸に届き、日常の風景がふと色を失うように感じました。過ぎゆく時間をただ漂わせる描写は深く心に残り、以前は強がってやり過ごしていた自分の姿が思い出されました。花や人のはかなさを見つめる視線が誠実で、頬を伝う涙の理由を素直に問いかける率直さに胸が動きました。月が沈み朝が来るという循環の中で、何を遺すべきかという問いが静かに浮かび上がり、無様さを笑い飛ばすような諦観と、それでも歩みを止めない小さな覚悟が同居していることを受け止めます。夢のように消えていくものを見送るやり方が、思いのほか優しく感じられました。