また袖を通す ありふれたデザイン
誰もが手に取る 意味なんてない
埋め尽くす小さなクローゼット
抱き寄せ這わせるメジャー でも届かない
質だけ良くなっても ただそれだけ
もう諦めたようで 追い求めてしまう
誰かのためのオートクチュール
自分に刻みつけられるのは 平凡な才能
アレもコレもと 寄せ集めても
君は物言わぬトルソー
薄い布を重ねてくだけ
狂気じみていく 細かな装飾に
「歪んでる」とかいう 褒め言葉でしょう?
奇抜で斬新な感情
ドールのように従順でいる 不気味さに
感じたスペシャルに騙されたい Why not?
選び抜かれた最高級を縫い合わせ
思いの丈を合わせられたら
縺れた糸だけ 解けた手だけ
繋ぎ合わせたいオートクチュール
着回しなんて気にしてられない order
やがて仕上げたシャツは 誰でもよくて
愛されるだけのレディーメイド
薄い布を重ねてるだけ
[ Romaji ]
布地や仕立ての比喩が巧みに織り込まれており、表層の華やかさと裏側に潜む疲労が同時に立ち現れていました。かつては他者の評価に振り回された時期があっただろうと想像されましたが、今は虚飾を剥ぎ取り自分の手で縫い直そうとする意志が見えます。細部への執着が狂気じみて生々しく描かれ、量産されるものへの諦観が静かに漂っていました。過去を省みる場面があり、現在はもっと素直に選び取る勇気を試みているように思えました。装飾の裏に隠れた本音を探る視線が鋭く、薄い布を重ねるだけでは満たされないという決意が伝わってきました。