最後のデートくらいはどんなに
多忙だって遅れず来てよ
あとその指輪もせめて外してから来てよね
頭の中で浴びせた本音は
キスひとつで溶ける脆さで
あなた好み清楚可憐を纏って 纏って
おとぎ話でも出てこないよ
そんな健気な女
私 幻に恋して
だからあなたは最後まで
夢でも見てればいい
私のものにならないのに
どうしてまたお気に入りの服で
あなたを出迎えているの?
バカみたいでも何も出来なくても
愛する人との幸せな結末を待っていたの
全てを知った上で受け入れて
納得してここにいると
そう思っているんでしょ
でも違うの
我慢しているだけ
おとぎ話でも出てこないよ
そんな健気な女
私 あなたの何なのと
もっと早く聞いておけば
こんな夜は来なかった
あなたのものでもないのに
どうして今でも平気な顔で
私を抱きしめているの?
バカみたいじゃない
なんにもないじゃない
あなたはとても優しい人
それがいけなかったのね
最後の言葉くらい少しは
男らしくすればいいのに
いなくなったところで次の私を
探すんでしょう
[ Romaji ]
胸の奥に押し込んだ期待と失望が同時に揺れる様子が、切なくも鮮やかに伝わってきました。相手に見せる自分と心の内側とのずれが胸を締めつける感覚があり、外側の振る舞いを整えているうちに本当の気持ちがどんどん遠ざかっていく苦さが伝わってきます。何かを信じたからこそ受けた痛みや、相手の優しさが逆に自分を追い詰める矛盾がとても生々しく描かれており、だからと言って軽々しく決断できない人の弱さと強さが混ざった心の動きに心を揺さぶられます。見栄や我慢が積み重なってきた結果、自分が何を求めていたのかを問い直す場面が胸に残り、静かな怒りと諦めが混じった語り口が胸に響きました。最後まで形を保とうとするけれど内側では崩れていく痛みを、鋭くもやさしい目で見つめた文章だと感じます。