疾風(はやて)の如く まっしぐら
変わる世のため おれは行く おれは行く
色気あるうちゃ 見えないものが
こころ澄ませば 見えてくる
誠をこめた 菊一文字
伊達にゃ差さない 汚(けが)さない
いのちを惜しみ 生きるより
ここぞ云う時 散らせたい 散らせたい
理想ひとつは この胸にあり
今日も明日(あした)も 道半(なか)ば
祇園の月が 川面を照らす
加茂の流れは 何を知る
時代が動き 変わりゆく
虹をつかむか おとこ花 おとこ花
運命(さだめ)なんかは 決まっちゃいない
夢の続きは その先に
葵(あおい)は枯れて 菊の香匂う
星がまたたく 夜明け前
[ Romaji ]
刃のように鋭い決意と古い風景が同居する語り口で、祇園や川の描写が時代のうねりを背景にして力強く響きました。言葉は直截でありながら詩的な匂いを帯びていて、過去に抱いた覚悟が今の行動を支えていることが伝わってきましたし、同時に未来へ向けて歩みを止めない意志が感じます。散り際の潔さや理想を掲げる強さが抑制された熱量で表現されており、聴覚的な迫力が想像をかき立てました。夜明け前の静けさとともに胸が高鳴る瞬間があり、歌として鳴らされたときにさらに輪郭が立つだろうと思わせる作品でした。