潮騒が耳を 塞ぐテラス
満ちてゆく月を見つめていた
わざと背を向けて 黙っていたのは
隠す気持ちを 試してた
恋なんてどこかで たぶん誤解ばかり
正しい言葉でさえ迷う
このままどこまで行くの
なにも決めないまま
指の先から さみしくなる
夜明けは二人の影を
どこへ連れてゆくの
そこは幻に近い
抱きしめられれば 変わることを
ほんとは知っていたはずなのに
せつなくなるのは ひとりじゃないから
そんな心を 持て余す
幸せは残酷 また時が絡まる
突然見えるものが違う
このままどこまで行くの
なにも決めないまま
声は言葉に ならなくなる
二人が望んだ風が
もしも吹いてきたら
それは偶然に近い
このままどこまで行くの
なにも決めないまま
指の先から さみしくなる
夜明けは二人の影を
どこへ連れてゆくの
そこは幻に近い
[ Romaji ]
潮騒と月明かりが織りなす静かな舞台で、決められない心の揺らぎを繊細に描いていて印象的でした。言葉にしきれない感情が現在も漂っている様子が伝わり、過去に抱いた迷いがふと顔を出した瞬間には胸が締めつけられるような感覚を覚えました。抱きしめることが変化をもたらす可能性を知りつつも、踏み出せない葛藤が丁寧に積み重ねられていて、読んでいて息を潜めるような緊張感がありました。幸せと不安が同時に存在する微妙な均衡が描かれており、語り口は抑制されているのに情景は鮮やかで、静けさの中に確かな感受性が宿っていると感じました。