あなたの方に水を掻く
気まぐれに目を開く
すぐそばで私を呼んでる
ねー なんて言ったの
(泡になって聞こえないよ)
端っこまで着いたら また戻る
あの日に あの日に
あなたに優しくされたら
どんなふうかな 思い描く
ふたり並んで泳いでいた
ねー どこに行ったの
(波になって触れないよ)
端っこまで着いたら また戻る
あの日に あの日に
バタ足じゃ追いつけないよ
魚になったら届きそう
光になったらつらぬきそう
[ Romaji ]
水面をかき分けるようなそわそわした気持ちが伝わってきて、読んでいると心がざわつきます。そばにいるはずの人の声が泡に消えてしまう切なさを感じました。あの日に戻りたいと願ったことがありましたが、過去の景色は簡単には取り戻せませんでした。並んで泳ぐ想像が温かくて、触れられないもどかしさが心に残ります。追いつけない自分を受け入れつつ、それでも手を伸ばしたくなる気持ちが今も続いています。光になれたら届くかもしれないという小さな希望が静かに芽生え、波に揺れるリズムが何度も繰り返されるので、読む人は自然と呼吸を合わせたくなるように思います。