湿った風の吹く街を ふたりで抜け出そう
人波にはぐれぬように 手をつないで急ごう
遠くなるざわめきは まるでトレモロのように
見えない星のかわりに 夢でも語ろうか
すり減った靴のままで おどけてダンスを踊ろう
振り返る街並みは 言葉もなしにただ手を振る
降り出した雨の匂いに このまま濡れて行こう
冷えた肩を寄せ合って どこまで行けるだろう
にじんだともしびは まるでハミングのように
やさしく響く雨音 合わせて歌おうか
調子はずれでごめんね ラブソングを贈ろう
流れて消えるうたかた 確かなものなんて
くたびれた服のままで 永遠の愛をここに誓おう
振り返る街並みは 言葉もなしにただ微笑む
[ Romaji ]
湿った街を二人で歩く情景がやさしく伝わり、読んでいるとそっと手を取りたくなる気持ちになりました。雨音や遠くのざわめきが背景になっているので、静かな時間の温度が手に取るように感じられます。たとえ服や靴がくたびれていても大切な気持ちを分かち合えば特別な瞬間になるという素直な希望があり、子どもでも理解しやすい表現で描かれていて安心感がありました。振り返る街並みに微笑みが残るような余韻があり、言葉にしなくても通じ合える関係の心地よさが伝わってきます。雨に濡れることを厭わず寄り添う姿勢が温かく、音や動きがリズムを作っているため自然に口ずさみたくなるような親しみやすさもありました。全体に落ち着いた調子でまとまっており、読後には誰かと手をつないで歩きたくなる穏やかな気持ちが残ります。