切なさとか 寂しさとか
蝉のなきがらとかを見て
さむい夏は嫌だ
赤と黒と緑の模様
今すぐ飲みほそうじゃないか
きまぐれな日々に
終わらせたくないんだから
赤く熟した果実の
ほっぺたが落ちる
熟しすぎて割れない様に
"甘いね"って笑って
今年もはじめよう
にほんいちの
あつい夏を
飲み干した種の行方
お腹から芽が出たりして
ツルにまきついてる
両手にうちわの羽根をもち
青い空の彼方へ向かい
気がつけばすぐに
夢の世界に混っている
丸い形がゴロゴロ八百屋に並ぶ
持って帰る重さが幸せ
"冷蔵庫に入んないよ
大きいの買い換えよう"
なんて言って顔を出す切り口
赤く熟した果実の
ほっぺたが落ちる
熟しすぎて割れない様に
"甘いね"って笑って
今年もはじまるよ
にほんいちの
あつい夏が