抜け道知らないタクシーに 「まかせます」とだけ呟いた
テールランプの川沿いには 嘘の灯が立ち並ぶ
希望をつぎこんで 絶望だらけのこの街を生きて
何を手にして いくつ失ったんだろう
今 誰一人として僕を思い出さない夜が来て
叫んでみても 気づかれぬまま ただ飲み込まれてゆく
排気ガスの風の中 懐かしい夏の匂いがした
飾ることなき僕の居場所は まだ君の中にありますか
ビルの向こうに咲いて消える 無音の花火 二人見てた
あの日僕が語った夢に 君がいないのは気づいてた
知り合いが増えて 誰であっても 成り立つ会話して
今を手にして 僕を失ったんだろう
今 誰一人として僕を思い出さない夜が来て
叫んでみても 気づかれぬまま ただ飲み込まれてゆく
世界中の人達に 僕のこと知ってもらっても
君の心に いられないなら
ああ 何の意味があるんだろう
渋滞抜けきって スピードあげた 都会が後ろへと 流れては消える
シートに沈めてた 体起こして 行き先を変える
君のもとへ 会いに 会いに行くんだ
ああ 誰一人として君を思い出さない夜なんて
来るはずもない どんな時でも 僕が君を想っている
排気ガスの風が今 懐かしい風に変わってゆく
飾ることなき僕の居場所は まだ君の中にありますか