渡り鳥 旅立ってゆく
別れを告げた 背中
季節を運ぶ風に
カレンダー揺れる
今 私の心は
二人が出会った
日が沈む 九月の高原
黒い峰
ああ あの人の声を
初めて聞いたとき
なぜかとても安心した
フィルムを巻き戻して
いくつもの笑顔の影に
あの人のさみしさ
ひとつひとつ見つけても
今 あの人の心は
二人が出会う前の
私の知らない羽を持つ
鳥たちの群れに
ああ あの人の歩む空
雨よもうこれ以上
私を傷つけたなんて
思わないでおくれ
私も一人最後のページをめくる
またここから物語りは始まってゆく
凍える風だって大丈夫
私はずっとここで生きてきた
ああ あの人の声を
初めて聞いたとき
なぜかとても安心した
ああ あの人の歩む空
雨よもうこれ以上
私を傷つけたなんて
思わないでおくれ
そして二人がいる
あの九月の高原へ
あなたと私のメロディは
帰ってゆく