描き始めた
あなたは小さく
ため息をした
あんなに大きく
波打つ窓の光の束があなたの横顔に跳ねている
僕の体は雨の集まり
貴方の指は春の木漏れ日
紙に弾けたインクの影が僕らの横顔を描写している
長い夢を見た
僕らは気球にいた
遠い国の誰かが月と見間違ったらいい
あの海を見たら
魂が酷く跳ねた
白い魚の群れにあなたは見惚れている
描き始めた
あなたは小さく
ため息をした
あんなに大きく
波打つ線やためらう跡が
あなたの指先を跳ねている
長い夢を見た
僕らの気球が行く
あの星もあの空も実はペンキだったらいい
あの海を見たら
魂が酷く跳ねた
水平線の色にあなたは見惚れている
広い地平を見た
僕らの気球は行く
この夢があの日に読んだ本の続きだったらいい
あの海を見たら
魂が酷く跳ねた
水平線の先を僕らは知ろうとする
白い魚の群れをあなたは探している