記憶の奥底に沈んだ忘れもの
もう一度帰れるなら
“ダレカ”と別れたあの日へ――
途切れた眠りを照らす夕闇は
胸を焦がす 郷愁(ノスタルジア)
いつか夢見た香り
風に導かれ (“ダレカ”を探して)
辿り着いたのは (遠く)
笑えていた頃に時間を戻した故郷
土に舞い落ちた紅葉を
拾うキミの姿に
何故か忘れてしまった
秘密の言葉を尋ねて
伸ばした手のひらの先
懐かしい名を呼んでも
少女の瞳は暗く
淀んだ空を見上げる
黄昏に灯る星に祈っても
朽ちるはずのない後悔(リグレット)
悔いを残す傷跡
過去に囚われて(明日を手放して)
変われない理由は(ずっと)
キミが消えたあとの
時間が止まっていたから
リコリスの咲く別れ道
向こう側は常闇
追いかけても近付けず
ぼやけた記憶に紛れた
迫った夜の帷(とばり)が全てを包み込んで
少女の哀しい声が狭間の空に響いた
小指を絡めた約束
“ワタシヲ ワスレテ”
想いはキミに届かなくても
キミが幸せならば 手紙は届かなくても良かった
零れた涙と共に世界は崩れ落ちて
独りで目覚めた朝に
あの日の詩を思い出す