あぁ君に近付いた分だけ
あぁ吸い取られるんだ
また潤んだ声で唱える
呪文ひとつで僕は逃げられない
私はいつも誰よりあなたの味方だよ
愛する君の為に出来るのは
見て見ぬ振りくらいだろう
もう僕は知っている知っている
僕だけじゃないってこと
あぁマメな人だって思って
気が付けば君しか見えなくなって
気が合うんだね私も好きだよ あの映画
愛する君の為に出来るのは
見て見ぬ振りくらいだろう
もう僕は知っている知っている
ここは手のひらの上
生まれながらに持った力と
生き抜く中覚えた呪文で
それを僕に使ったのは
ただの気まぐれだったの?
こんな話聞いてくれてありがとう
私にとってあなたはとても大切な人だよ
愛する君の為に出来るのは
見て見ぬ振りくらいだろう
もう僕は知っている知っている
僕だけじゃないってこと
胸の苦しみにも慣れてきた
ひどく馬鹿な自分に
もう嫌気がさしてる
僕は思う
はやく君に会いたい
[ Romaji ]
誰かに惹かれるほどに自分が少しずつ失われていく戸惑いと、どうにか保とうとする心の綱引きが強く伝わってきて、読むうちに胸の奥がひりつくような感覚になりました。優しい行為の裏にある支配性や、無自覚な期待に縛られる息苦しさが分かりやすく描かれていて、相手を思うがゆえに目をつむる選択の辛さが胸に残ります。近づくほどに弱くなる自分と、それでも相手のために動いてしまう後悔が交互に顔を出し、喜びと痛みが同じ場所で混ざり合う繊細さを感じました。日常のちょっとしたやり取りが効いていて、親しみやすい言葉で深い心の動きを拾い上げている点に好感が持てます。誰かのために自分を差し出すことが美徳に見える一方で、それが自分をすり減らす行為になっている現実をそっと示しており、自分の境界を見直すきっかけをくれました。最後には会いたいと切実に願う声が残り、その弱さがまぶしく映るような余韻を残します。