存外憂鬱はないよ
あなたが浮かんだら
背後に見えた故郷が
遠くで昨日になってゆく
どこかで焼け溶けたゴムの匂いが
愚行を笑っている
眠らない街を 腐す光の束
色めく宿の壁 瞬きでさよなら
固まる背中と 震える足元で
血液下がった 指の間に
景色が溶ける
旅情で有耶無耶になった
いざこざ浮かんでる
背後に詰んだ荷物に
少し心許無くなって
違法で燃やす紙ゴミの煙が
吐いた息を更に濁して
愚行を笑っている
眠るトンネルに漏れる光のシャワー
変わらない地名の 横風にさよなら
固まる背中と 震える足元で
青白 加えてあまつさえ
朝日が目を焼く
[ Romaji ]
未明の高速を突き進み、過去を振り切り昨日を置き去りにしていく疾走感と孤独が同居していました。故郷が遠のく寂しさより、新しい場所へ向かう決意が冷えた指先から切実に伝わります。夜を切り裂く光やトンネルの圧迫感が、心の葛藤を浮き彫りにしていました。朝日が目を焼く結びには、憂鬱を越えて一日を迎えようとする力強い再生の意志が宿っています。