どこへ行けども何も分からないし
例えばコンビニで、例えば明日の朝食
家に置き去りのパンは乾いて固くなってる
いつか買ったジャム瓶、開ける気にもなれない
貴方好みに暮らせないし日々夢も見ないし
体の外に出ても風景が一つ死んで終わり
鈍行の風が頬を撫でる、産毛が揺れる
交わった水が少し濁る、柔らかくなる
呆れるほどの不出来と愛したくなるような不器用さを
兼ね備えた人よ、どうか優しいままで
粗めいた解像度のjpegから私、宇宙まで創ってみせたのに
いつまで経っても頭蓋骨で膨張を止めてる
深夜目を閉じられなくなってからの
会話、対話、仔細で曖昧なシミュレートプログラム
「『』を一番愛してる」
甘い言葉通りに手の鳴る方に明るい朝日が差し込むだろうと
甘ったれたお願いみたいな希望の容は鏡と同じで
体と頭は切り離せないし、でもそんな感じ
息してもいいんだっけ、ここは酸素が薄いような
鈍行の風が頬を撫でる、産毛が揺れる
交わった水が少し濁って柔らかくなって
ずっと壁が今も迫る、迫るまま生きる
死に終わった展望が今も見える、鮮やかに見える
呆れるほどの不出来と愛したくなるような不器用さと
胸を覆う不安と不得手故の不協和音を
苦しみさえも古傷が痛んでも
君よ、どうか優しいままで
貴方もどうか、
[ Romaji ]
解像度の低い画像から宇宙を想像するような、広大な精神世界と、パンが乾いていくような地味な現実との対比が鮮烈でした。頭蓋骨の中で膨らんでいく思考が、外の世界の風景と上手く交わらないもどかしさが、繊細な言葉で綴られています。不器用で不出来な自分を抱えながらも、他者に対して「優しいままでいて」と願う祈りのような優しさに救われました。薄い酸素の中で息をするような苦しさの中、鏡に映る自分を見つめ直す静かな対話が、深い余韻を残しました。