渇きの一言メモ
都会のざわめきに紛れながら、胸の奥でちくりと乾いた感じが広がって、歩く速さを少しゆるめたくなりました。うまく笑えた日もありましたが、手を伸ばした先に空気しかなくて、指先がさみしく震えたことを正直に受け止めます。追いかけたい気持ちは強かったです。でも、足音だけが前へ転がって、心が置いていかれるような不安が濃くなりました。駅の明かりや信号の点滅は頼りになる目印のはずなのに、選び方を間違えると、視界がにじんで方向がわからなくなります。忘れようとしてもうまくいかない記憶は、痛いのに温かくて、胸の真ん中に居座ります。言葉は少なくていいから、素直な気持ちで「ここにいるよ」と伝えたいのだと気づきました。音に助けを求める瞬間もありましたが、正解を外から探すより、今の鼓動に耳を寄せることがいちばんのヒントになります。歩幅を小さくして深呼吸をすると、悲しさの輪郭がやわらかになって、次の一歩を置ける隙間が生まれました。わからないままで終わるのは悔しかったです。けれど、好きだった気持ちをゆっくりたたんで、ポケットにしまう作業は未来へつながる準備だと信じられます。遠回りでもかまいません。灯りの線をすこしずつ集めて、夜の街を抜ける自分だけの道を丁寧に作っていきたいです。