今から少し話をしよう 言葉はいつも頼りないけど
それでも少し話をしよう 歌にして逃げてしまう前に
バンドなんかやめてしまえよ 伝えたいなんて買い被るなよ
誰かに頭を下げてまで 自分の価値を上げるなよ
だけど愛してたのは自分自身だけで馬鹿だな
だから愛されなくても当たり前だな糞だな
今までバンドをやってきて 思い出に残る出来事は
腐る程された質問に 今更正直に答える
2011年1月23日 アンコールでの長い拍手
思えばあれから今に至るまで ずっと聞こえているような気がする
だけど愛してたのは自分自身だけで馬鹿だな
だから愛されなくても当たり前だな糞だな
ギターもベースもドラムも全部 うるさいから消してくれないか
今はひとりで歌いたいから 少し静かにしてくれないか
こんな事を言える幸せ 消せるということはあるということ
そしてまた鳴るということ いつでもすぐにバンドになる
だから愛しているよ都合のいい言葉だけど
結局これも全部歌にして誤魔化すんだけど
だけど愛してたのは自分自身だけで馬鹿だな
だから愛されなくても当たり前だな糞だな
当たり前だな糞だな
そうだなそうだなそうだなそうだよな
嘘だな嘘だな嘘だよな
疑いは晴れずでも歌は枯れず
付かず離れずでこれからも
そうだなそうだなそうだよな
嘘だな嘘だな嘘だよな
疑いは晴れずでも歌は枯れず
付かず離れずでこれからも
[ Romaji ]
長い間一緒に作り上げてきたものに対して複雑な気持ちが湧き上がる様子が、率直な言葉で伝わってきました。外から聞こえる拍手や雑音の賑やかさと、自分の内側で静かに問いかけ続ける声が同居していて、その二つを行き来する感覚がとても人間らしく感じられます。大きな音を消して一人で歌いたくなる瞬間や、表面上の華やかさの裏にある戸惑いを認める場面に、飾らない誠実さがありました。自分を過度に評価したり、反対に卑下したりする矛盾に正面から向き合っているところからは、失敗も含めた自分の全部を受け入れようとする姿勢がにじみ出ています。何度も繰り返す言葉には迷いとあきらめが混ざっている一方で、歌をやめないという決意が細く強く残っています。演奏する仲間や聴衆との距離感をどう保つか、栄光と不安のはざまでどう自分を扱うかを静かに考えさせられ、読み手も自分の好きなことと向き合う勇気をもらえます。音を止めることで初めて見えてくるものがあるという示唆が効いていて、慌ただしい日常の中で小さな静寂を持つことの意味を優しく教えてくれました。最後まで完全な答えを示さないゆらぎが、逆に真実味を増していて、聞き手や読者に考える余地を残す余白が心地よく感じられます。