7時を回る前に
フラれておいてよかったわ
最後に私と見る花火は余計に綺麗でしょ
癖のある硬い髪に
指に頬に首筋に
もう触ってはいけないのね
煙の跡を目で追うフリして
次の花火を待つ あなたを見てた
真夏の空に浮かび上がって滲んだ
ほら見て綺麗だよなんて
言うほど苦しくなった
二度と治らない火傷みたいな痛みが
胸を焦がす魔法
あなたには強くかけたのに
誰が解いたの?
どこをどう探しても
あなたは他にいないのに
そんなのきっと今だけだよだって
そんなわけがないでしょ
夏を通り抜ける度に
私は綺麗になるの
お見せできなくて残念だわ
笑い飛ばして また会えるのなら
それでいい それでいいの それでもう
同じ花火が二人を照らすのに
あなたの胸の内は 赤くないのね
真夏の空に浮かび上がって滲んだ
ほら見て綺麗だよなんて
言うほど苦しくなった
二度と治らない火傷みたいな痛みが
胸を焦がす魔法
あなたには強くかけたのに
誰が解いたの?
[ Romaji ]
夏の夜に一人で立っているときの、切なさと強さが同時に立ち上がる感覚が伝わってきました。花火の光が一瞬で消えるように、大事なものが手の中からすり抜けていく悲しみを静かに受け止める様子が印象深いです。触れられない相手を見つめながらも、外側には明るく振る舞おうとする心のやりくりが丁寧に描かれていて、そこにある矛盾を隠さずに見せる正直さが良かったです。忘れられない痛みを「消えない傷」のように例える表現が胸に響き、時間がたつごとに変わる自分の姿を受け入れようとする覚悟も感じられました。誰かに向けた想いが一方通行だとわかっていても、その想いを糧にして少しずつ自分を磨こうとする前向きさが、哀しみをただ嘆くだけにしない温かさを作っています。夜の静けさと光の儚さが一体となって、情景が頭にくっきり浮かぶので、読み手は自分の夏の記憶と重ね合わせやすいはずです。最後に見せる諦めとも違う達観のような感情が、やさしく胸を残していく作品だと感じました。