あめふり婦人の一言メモ
夜の街がしとしと濡れていく様子を思い浮かべると、にぎやかだった声がいつのまにか消えてしまい、静けさだけが残った不思議な時間が伝わってきました。急に降り出す雨や遠くで遊ぶ子どもの声が、ふと遠ざかっていく場面は少しさみしくて、でもその中に小さな温もりが混ざっているのが分かりました。誰かに愛されたいという素直な願いが繰り返されるたびに、弱さと強さが交互に顔を出して、人間らしい揺れが見えました。つまらない日々や重ねた言葉が重くのしかかる瞬間もあるけれど、列車に乗って夜の底へ向かう決意には潔さがありました。荷物を下ろして身軽になりたいという気持ちや、いけないと知りつつも誰かを求める気持ちが同時にあって、どちらも嘘ではないと感じました。雨に濡れた角で確かなものが消えていく不安はあったものの、ただ一人の人を思う気持ちが最後まで揺るがないことに、どこか救われる気分にもなりました。