小雪舞いちる すすき野の
夜は気まぐれ 風まかせ
あなた来るかと 占えば
花もなみだで かすみ草…
男の恋は 遊びでも
惚れた女にゃ 夢灯り
旅のお方と 知りながら
あげた みちのく 国分町
酔って酔わせた 七夕の
枕さみしい 残り紅…
昨夜(ゆうべ)のあなた 呼んだって
窓に上りの 汽車の笛
夜の銀座に 雨が降る
こぬか雨だと 弾き語り
俺の苗字を やるなんて
ナシのつぶてを くれた人…
忘れたふりの その裏で
今も死ぬほど 数寄屋橋
水の都の 大阪は
ネオン花咲く 恋の町
酒場すずめの 見る夢は
いつかあんたと 宗右衛門町…
尽くしたあげく 放(ほか)されて
あとの祭りの ふられ酒
強く生きなきゃ いけないと
そっと叱った アヤちゃんが
同じ故郷の 生まれだと
知れば涙が 流れ川…
十五才(じゅうご)の昔(ころ)に 戻れたら
それも叶わぬ はぐれ花
芦原・片町・両替町
錦・播磨屋橋(はりまや)・天文館
どこで咲いても 雨が降る
誰に惚れても 風が吹く…
盛り場ネオン 嘘ばかり
春というのに 雪が降る