少し儚い吐息の音
眩い日差しを遮る左手
君が悲しい顔をするから花なんて嫌いだ
沁みるような甘い香り
ベランダ 麗しく咲いた一輪
枯れゆけば塵と化すのに 君はそっと水を遣る
口にすれば 言葉でさえも軽薄でチープな波動じゃないか
君は傲慢だね
花の行方を見届けたいだなんて
いつかは消える花に如何して 如何して想いを寄せるのか
いつかは消える君に如何して 如何してこれ程に恋を
僕は傲慢だね
君の行方を見届けたいだなんて
隙間風に靡いた裾
くすんだ藍が窓際に反射する
探し物なんて初めから無かった
誰も居ない部屋 僕は何を見ている?
煌めいている
嘯いている
知られぬ儘朽ち果てていく この命は
それは綺麗な摂理の中 不確かさだけが確か
君が微笑む ただそれだけで
いつかは消える花に如何して 如何して想いを寄せるのか
いつかは消える君に如何して 生きて欲しいと思うのか
君が紡いだ命の先に幸せはあるんだ
僕は傲慢だね
君の行方を見届けたいだなんて
夢の続きを見届けたいだなんて