書き残したものは
他に在ったか
沈んだ気配 午前四時
蹲っている
泣き続けた旅が
終わったのか どうか
折れかけた ペンを片手に
呪った未来も
回る世界の美しさも
抱えきれない怒りも
矛盾な題材も
教室の席で考えた様な 夢は
歩き出した あの頃と同じ
今日もまた痛んだ
心が死んでいった
口をついた
「こんなもんだろう」
いつからか日和った
あの日の教室で
一体誰が 泣いている?
赫らんだ 街並みは同じ
続いていく 今日の行方を 暈していく
失った言葉も 見えないまま
消えない願いを 切って貼って綴る
続く
想いの丈を 書き殴る
君の側に 届く様に
血を吐いては
今日も書き遺す 不恰好な詩を
他の誰かが 僕を嫌っても
言えない時代が 続いても
いつか伝わるくらいが 丁度いい
今日も思い出していた
絶望を知った日を
夕景に居座って
読んだ1ページを
馬鹿な大人たちが 嘲笑った言葉で
救われたって 良いだろう
泣き出した 言葉こそ相応しい
きっと 痛いくらいの色に 輝いていく
一向に 差す兆し が見えなくとも
この手が動く限りに 綴る
ずっと
目を凝らして考える
無謀で馬鹿な 虚実譚を
2004年8月に 死んでいた少年に捧ぐ
あの日 誰かのペンを追いかけて
間違うほど 描いた人生は
きっと 君にとって 相応しい
君にとって 僕にとって 相応しい
こんな 愚か者の話
書き殴ってみたところで 響かないだろう
微睡みの中で 夜は明けて
結末を 気づかせて
赫らんだ 朝焼けの光
沈み込んだ 今日の行方を 暴いていく
失った言葉が 疼いたなら
眩しい世界に ペンを立てて
謳おう、君と。