跡形もなく 移ろう日々に
理由(わけ)もなく 降りてゆけない
踏切に閉ざされたら 遠のく
月 重力に許されたなら
「わたし、平気だよ」いつも
狭まる自由に 押し出されて
スピード上げるしか なかった
これが わたしのきた道 手遅れに
なる前の前で選べたら どこへ行けばいい
羽根を蹴り上げて
かけがえない夢だけ 追い続けて
なぜか苦しくて こぼれ出た
一雫の世界 これだけ
これだけが 物語
交差点 用意された 足取り
薄めてしまいたいわたし
この星のピクトグラムになって
しがみついたまま化石になる
時の落とし穴の底
不意に 風が 変わる頃
もう二度と 地に着かない爪先
息継ぎ 肺が現在(いま)で満たされても
君が誰だか分からないよ お願いおしえて
一人が怖いよ
大事に握り締めてた 小さな 掌開いてみてもただ
幼い罪だけ それだけ
それだけが 残されて
失う ほど速くて
落ち込むタキオンみたい
最果てばかり 見つめて
わたしのきた道 手遅れに
なる前の前で選べたら どこへ行けばいい
抜け落ちた 羽根屑にまみれた脚で
きらめく夢だけ 追い続けて
なぜか苦しくて こぼれ出た
一雫の世界 これだけ
これだけが 物語
跡形もなく 移ろう日々に
理由(わけ)もなく 降りてゆけない
踏み切る わたしほら伸びてゆく
宙へ 重力を置き去るように