さすらう心は 波のように
時に激しく 君を探す
夕映え色の灯火が 霞める人混み
確かなことに気付くより 今は引き寄せて
空に届かぬ手は 宙ぶらりのまま
今夜は 夢を見る
目が覚めない夢を見るよ
瞳に映すだけ
君と光 映すだけ
騒めく心は 風のように
時に寂しく 君を想う
蝉の時雨を掻き分けて 鈴の音を探す
見兼ねた夏がこの空に 花を咲かせれば
きっと君も同じ 輝きの下で
今夜は 夢を見る
目が覚めたままで夢を
瞳に映すだけ
君と同じ 景色を
胸打つ鼓動の音 惑わせて
大袈裟じゃない言葉さえ
いつもより響いていた
尾を引く白煙は
少しずつ帰ってゆく
遠くの星たちが
知らぬ顔で輝いても
今夜は 夢を見る
目が覚めない夢にいるよ
瞳の奥にだけ
残された 夏の空