水無月の雨
滲む歩道
紫色と並んだ傘
一辺が触れ合って
そっと隔てる雫
それが答えなんだね…
費やした時間の中で
何を見ていたのだろう?
今さらのregret
ねえ あれは恋だった?
“…つもり”だけじゃなかった?
まだ心だけあの日に止まったまま
紫陽花色に揺れた 名前も無い記憶
雨の中で追いかけた
綺麗なままで良いと呟き <綺麗なまま そのままで>
目を逸らす君が遠く見えた <君じゃなくなった…>
一瞬触れた指が すっと離れて笑う
聞きたくない答えだった
偽りもくすんだ過去も
過ぎてきた煌めきと
擬態するmemory
ねえ 君は恋してた?
お互い様だけどね
好きだったのは自分自身だよね?
紫陽花の葉を叩く雨のように そっと
君は僕を傷つけた
届かないregret
泣き顔みたいな笑顔
小さく動く唇
あの時君は何て言ったのだろう?
出会った日と同じ雨の中 手を離す
君と僕は…
びしょ濡れで恋してた
“…つもり”なんかじゃなくて
好きだったのも たぶん本当だよね?
紫陽花色に落ちた涙を消すように
雨は今日も降り続く
記憶の中で…