携帯電話の一言メモ
ポケットに小さな箱を入れて歩くと、目に見えない糸がそっと張られているように感じられて、胸がそわそわしました。連絡が来ない時間に寂しさが膨らんだり、ふと画面を覗くと昔の約束や喧嘩が並んでいて、まるで自分の歴史を手に持っている気分になりました。電源を切ってしまえば楽になれたかもしれないと考えたこともありましたが、切ったときに初めて気づくことがあると知りました。誰かの名前が並ぶ欄は、忘れてよい出来事まで残してしまう厄介さもありましたが、それでもどこかに自分の居場所があるという安心が生まれて、歩く足取りが少しだけ軽くなりました。過去の記憶が今の行動を形作っていることを感じ、時には戸惑いながらも大切なつながりを守ろうとする気持ちが伝わってきて、やさしい気持ちになれました。