言葉で私を話しても、私ではないから
私が空っぽになってしまったのですか
心を言葉で話しても砂のお城みたいでしょう
私は幽霊になってしまったのですか
赤色を赤と話しても赤は見えていないけど
あなたは私をわかってしまったのですか
私が私を話すたび私が減るみたいだ
私は鉛筆になってしまったのですか
くちなしの香りを起こすように
春を行け、私の嵐の歌よ
向かうままに靡け、一房の花の音よ
あなたが月と表すあれ、白い殻みたいだな
誰かが卵を砕いてしまったのですか
言葉で桜を描いても桜ではないのに
私の心は動いてしまったのですか
あなたは私を描いてしまったのですか
くちなしの香りを起こすように
夏を行け、吹き荒べ嵐の歌よ
土用波に揉まれ風下へ、嵐の歌よ
秋を行け、私の嵐の歌よ
向かう冬に開け、一房の花の音よ
春を行け、
春を行け、私の嵐の歌よ
[ Romaji ]
言葉にすることで自分自身が削り取られていくような、脆く繊細なアイデンティティへの不安が静かに綴られていました。心を通わせようとするたびに実体が失われていく感覚は、まるで砂の城や幽霊のように儚げで切ないです。季節を駆け抜ける嵐の歌に託された想いが、激しくもどこか美しく空を舞う様子が目に浮かびました。定義できない感情を無理に当てはめず、ありのままの心の揺らぎを大切に守ろうとする姿勢に、深い共感と慈しみを覚えました。