オレンジに染まったビルの群れを掠めて
渡り鳥が羽音を響かせてる
静か過ぎる世界に流れている時間は
孤独を超え なお漂うだけ
ああ 人影に会いたい
自分以外の誰かに
ただ 抱きしめ永遠のさよならが言いたい
幾億の月日と 幾億の足跡が
刻まれ来たこの地に立ち止まれば
いるはずのないひとの形を探している
私は今 まだ 生きているの
焼け焦げた信号機と
ときおり鳴り響くサイレン
行先を示すものは何ひとつ見えない
愚かなままに滅びてゆくものたち
その記憶は塵のように
砂に還り 星へ帰る
ああ 人影に会いたい
自分以外の誰かに
ただ 抱きしめ永遠のさよならが言いたい
オレンジに染まったビルを見上げるように
傾いたモニュメントは何を思う
低く飛ぶ鳥たちはやがて影絵のように
空に吸い込まれ消えるだろう
[ Romaji ]
夕暮れの色と静けさが心にすっと入ってきて、世界がとても広くて少しさみしい場所に思えました。人の気配が消えたあとに残る町の音や明かりのひかり方が、誰かを待つ気持ちを呼び覚ましたように感じます。遠くで羽ばたく鳥や消えゆく景色に、自分の存在を確かめたくなる不思議な気持ちが芽生え、抱きしめてもらいたいという素直な願いが胸に残りました。過去の足あとや記憶が町に溶けていく様子を見つめると、時間の流れの中で人は変わっていくのだと改めて思わされます。道しるべが見えない中でも立ち止まり、自分の心と向き合う勇気を促されるようで、読み終えるころには静かな決意が生まれていました。