春になったら また来るからと
小さな燕を ボトルに描いて
夜明けの桟橋 帰っていった
にくいあなたは ゆきずりのひと
行ったり来たり 行ったり来たり
あなたを待ってる 島酒場
夏のにぎわい 波間に消えて
日暮れがどうして こんなに早い
人影ちらほら 連絡船にゃ
いつも迎える カモメもいない
誰かを呼んで 誰かを呼んで
汽笛が鳴いてる 島酒場
春になったら また咲く花を
一輪飾って 恋待ち雀
のれんをしまって 熱燗ひとつ
温(ぬく)め直して ひとりで飲んだ
行ったり来たり 行ったり来たり
心が揺れます 島酒場
[ Romaji ]
潮の香りとともに、人を待つ切なさが静かに広がります。季節がめぐっても忘れられない想いを抱きながら、島の夜をひとりで過ごす姿が目に浮かびます。去っていった人への未練と、どこかでまた会えるかもしれないという小さな希望が、湯気のように胸に立ちのぼっています。景色の描き方がやわらかく、波や風の音まで聞こえてくるようです。寂しさの中にも温もりがあり、待つことの強さや優しさが心に残りました。