記憶の中を歩く
燦々だった光 ふと目を逸らし
木陰に身を潜め 日暮れを待つ
ぐちゃぐちゃの僕を
洗い流してほしい
今際の際で 未だ踠き続けるリミット
鳴り響く風鈴が チリンと
答えを探して空を眺めて
青さと入道雲の厚かましさに
笑えて 込み上げて
負けてしまいたくなるけど
季節のせいにして
気持ちを整理したって
意味はないよ
戻れないもう
夏が終わる
いつかした約束も蜃気楼に消えて
ヒグラシは安息の地を求めて
炎天下 命を苛烈に燃やした
だけど季節は僕だけ燻らせた
なあ、あいつと同じように僕も連れてってくれないか
分かってる 笑っている
各駅で蝉時雨 夏のせいにして
自ら行動して功を奏しても溢したものが
脆くて尊くて猛毒な季節は
邪で縫合して もうどうしてくれても
僕の解れをなぜておくれよ
記憶の中を歩く
土に埋めたままのカプセルに両手伸ばした
この思い言葉にするのは怖くて
この思いを永久に閉じ込めたかった
灰色の空が共に泣いてくれるのならば
君にぶちまけて良いのかい?
あの日の あの時の選択の
答え合わせすらもままならない
僕は僕を置きざりにしたんだよ
こんなに痛いのか
思い出は残酷だ
夕立の中で 過去達にまたね
夕立の中で 旅立ちと別れ
夕立は奏でる 夏の日の調べ
夏は気まぐれに僕を抱きしめた
季節のせいにして 気持ちを整理したって
意味はないよ
戻れないよ
夏が終わる
[ Romaji ]
夏の終わりの気怠さと、夕立に洗い流してほしいと願うぐちゃぐちゃな感情が、切なく美しく混ざり合っていました。過去の選択を悔やみ、思い出の残酷さに打ちのめされながらも、季節のせいにして前を向こうとする不器用さに共感を覚えます。土に埋めたカプセルのように閉じ込めたかった想いが、灰色の空の下で涙となって溢れ出す光景が目に浮かびました。気まぐれな夏に抱かれ、過去に「またね」と告げて旅立つ寂しげな調べが、いつまでも耳に残りました。