海を渡るより君の電話が遠い
「こんな終わりかたなんだか嫌だね」
前に見た映画で君とそう言ってた
こんな風にタバコを吸いながら
今思い出すなんて
髪を切っても自由にはなれない
鍵のない部屋は君とよく似ている
捨てたもんの名前を目を閉じて
いつまでも掃き溜めの中で呟く
今思い出すなんて
知らないふりしてもう一度
君だけと出会いたい
オレンジ日常を溶かして
全部連れ去ってくれ
そういえば、なんていう話さえ
瞳の温度をバカみたいに上げる
鼻の奥が熱いきっと映画のせいだ
ベランダで蹲る僕の代わりに
君は まだ泣いてくれるかい
知らないふりしてもう一度
君だけを見つめたい
都会の孤独は地獄さ
都合よくは行かないよ
知らないふりしてもう一度
君だけと出会いたい
オレンジ日常を溶かして
全部連れ去ってくれ