しあわせとふしあわせの境目が
うすいドア一枚分もないことを
今迄 わたし 知らなかったの
むきだしの床きしませ土足のまま
ノックもせずに入って来たのは
あれは確かにさよならの影
GAME IS OVER わたしにはそう聞こえたの
GAME IS OVER ドアのひらく音
天井にこだましながら返ってくる
砂糖菓子の夢が壊れてゆく音は
あれは確かにさよならの声
しあわせとふしあわせの境目に
そうね鍵をかけずにいたことが
やっぱり わたしいけなかったの
錆ついたノブをまわしいつのまにか
嵐のように出ていったのは
あれは確かにさよならの影
GAME IS OVER わたしにはそう聞こえたの
GAME IS OVER ドアの閉じる音
もういちど泣きあかして眼がさめたら
心のなか大きな刷毛で塗りかえて
そして消すのよさよならの影
そして消すのよさよならの影