目の前にはもう 駆け回る幻
目を伏せていたけど 涙の海になる
繋いだ手と手から 棘が生えぬように
足を捕られて行く 歩く砂の上で
『叶わぬ過去』の昔話は始まるのだろうか
忘れてしまう海の底 手の届くところに
目の前にはもう 横たわる針の根
幕が開いてしまう 何も無かったように
定めがあるのなら 引き抜いてしまいたい
二度と解けないように 地と地を固結び
見かねた空に火の粉散る 喉元まで燃やせ
忘れてしまう海の底 手の届くところに
並べた小石だけで 守れるものならば
さらわれて波間に 風に化けぬように
捧げ祈ることで 守れるものならば
人知れず漂う 風に化けぬように
留まることも遮ることも始まっているだろう
忘れてしまう海の底 手のと届くところに