「朝が来るまでここにいよう
始発にはまだ早い」
あなたの気持ちわからないまま
黙ってうなずいた
決められたように同じ距離で
並んで座るこの川辺は
恋を実らせる不思議な場所だって
聞いた事ある?
こんな風に誰かを思う
いつ以来だろう?
手繰り寄せる遠い記憶
想い巡る恋の恐さ
「忘れよう」つぶやいて
元に戻した
今年最初の白い息
風が吹くたびに 笑い合えば
やっと並べた距離が
縮まっていく気がした
黙ったまま遠く見てないで
教えてよ 朝が来る前に
ぽつりぽつりと始発に向けて
去っていく恋人たちを
はずした目線で追い掛けながら
溜め息ついた
二人を知らない人が見れば
どんな風にうつるの?
この川辺のルールのように
決して変わることのない
二人の間 風が通り抜けた
ポケットに入れた小さな手
「あたためてあるから握っていいよ」
そう言えたなら
距離も縮まっていくのかな?
黙ったまま時計見てないで
抱きしめてよ 朝が来るまでに
川の向こうに霞んで
見えてくる街の景色
このまま朝が来なければいいのに
今年最初の白い息
風が吹くたびに 笑い合えば
やっと並べた距離が
縮まっていく気がした
黙ったまま遠く見てないで
教えてよ 朝が来る前に