この夜から連れ出す
手が差し出されるのを待っている
もう僕には触れないで、とか
くだらない事を抜かして
逃げ込んだ先は
伽藍堂になっているワンダーランド
時化込んだままで
また気づいたときには独り法師
バラバラの身体を繋いで
いくつもある口が笑う
血眼でありもしないものを探している
気がつけば失くしたものの数だけ
価値などないガラクタだけを集めて
虚しさを埋めた気になっている
この夜の街の灯りを全部消して回っている
月のない闇に紛れ込んでしまうのさ
塞ぎ込んだのは
もうどこにも逃げ場がないから
浮かび上がるのは
誰も君のことは見ちゃいないこと
ボロボロの心を繋いで
増え続ける声を聞く
そうやって
ガタガタの傷口を広げ
もう取り返しがつかないね
「助けてヒーロー!」
なんて笑わせるなよ
醜い笑顔のまま
いつだって
泣いている誰かを踏みつけにしたんだ
救いなんてものはないのだろう
血眼で、
今ここで、
泣いている訳を教えてよ
一途な思いすら夢のように
いつかは全て忘れてしまうのだろう
正しさなんてわからないよ
遠く遠く離れてゆく
足掻けど足掻けど足はもつれ
深く深くへ沈んでゆくんだ
明けない夜の闇の中を
怪物たちは彷徨い続ける