秋の気配の並木道に 黄昏をよけて恋人達
僅かな時も惜しむ様に 歩幅を合わせ歩いていた
あの夏 僕らは誰よりも秘かに恋をした
与える愛と受けとる愛が 互いの心をつないだ
出逢ってしまった2人の日々に 幸せと孤独が訪れる
心もとなくて受話器を握れば とぎれとぎれ声が聴ける
ふり返る事も明日を見る事も かたくなに僕は拒んでた
あなたはといえば 男と女のあるがままを受け入れていた
どうしても“あなた”にはなれない 愛のもどかしさに
思わず口をついてしまった 若すぎた言葉の行方に
冬を迎えにゆく冷たい風に あなたの笑顔が翳りだす
いつもの過ちただすれ違い それは戯れにあふれ
憎しみを欠いた愛の泉など 本当の姿とはいえないと
つぶやくように囁くように 自分に言い聞かせるように
愛するがゆえに傷つけ合いながら どれほどの時が流れただろう
通いなれたあの並木道に降る 白い雪になぜか泣けた