はっとした拍子に思わず手を滑らせる
大丈夫と見過ごして気が付けばただ浮かれてた
飛び散った欠片をひとり集めて
いつのまにか切れた指の傷を舐める
遅れてくる孤独と痛みが
「迂闊だったな」と嘲るようだ
酔いも醒める
壊れたカップの代わりは見つかっても
絆創膏濡らす度 開いた傷口が笑う
後悔したってもう取り返せはしないけど
忘れられやしないって
こうあなたの傷がいたんでは
お喋りな口も気づけば塞がって
名残惜しさの形さえもぼやけてゆく
テーブルの上に残った氷は
過ぎた時の温もりをうつし溶けた
忘れていたカップの手触りを思い出す
塞がってた傷口が開いてまたにやりと笑う
はっとした拍子に思わず手を滑らせる
認めざるを得ないな
またしてもただ浮かれてた
壊れたカップの代わりは見つかっても
あの時の迂闊さを笑った傷がまた痛む
後悔したってもう取り返せはしないのに
忘れられやしないって
こうあなたの傷がいたんでは