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吾輩は猫である 名前はまだ無い何故なら捨て猫であるからして記憶もすべて飛んだ始末でカラスの群れにも溶け込めず不吉だとかで庇護も貰えずもう一度言おう吾輩は黒猫である。
四六時中不満が募って幸不幸はどうでもよくて枯れた花にも名前があるのに外れた道では他愛もなくて揺れる心は止めてしまった暮れる夕日に染めてしまった怒り悲しみが混ざり合ってどんどん躰が黒に染まった
夢も見ない真夜中に少しだけ見えるのはビルの隙間から見える楽しそうな兎
吾輩は猫である お金も何もないはなから食う寝るを繰り返して怠惰を謳歌していく使命で一度も餌にはありつけず雨しのぐ傘すらも持てずに濡れて冷えて飢えて倒れて目の前が掠れていった
覚めない朝に僕はいる冷めない夜に僕はいるさあ、はじめよう。
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