夢がコンビニエンスストアに山積みにされていた
誰もがそれを手に取り馬鹿馬鹿しいと笑う
教科書通りの生き方なんてと君は言うけれど
わたしは善悪すら教えてもらった覚えはない
愛はドラッグストアの店頭でタイムセールの真っ最中
人々はこぞって両手いっぱいに抱えレジへと向かう
なんとなく過ごしてしまった年月を数えれば
手放したもの 失ったものの吹き溜まりで嘆く
なんだって出来ると思っていた
いつかは何にだってなれる いつかは何処へだって行ける
なんだって出来ると信じていた
誰かが必ず見ててくれるから 誰かが必ず認めてくれるから
選んだことに理由はなくて
選ばれたなんて思うのも傲慢で
確かに歩いてきた道は消え
隣にいたはずの人ももういない
ただ真っ黒な夜のど真ん中 何処へ行く
不満を口にしてみれば己の甘さに気付くだけ
孤独を口にしてみれば甘ったるさに吐き気がする
不安を口にしてみれば己の弱さに気付くだけ
子供のままでいたいのに ずっとこのままがいいのに
時間に追い越されていく 心だけ放課後に歌う
友達に見放されていく 家族を悲しませている
なんだって出来ると思っていた
いつかは何にだってなれる いつかは何処へだって行ける
なんだって出来ると信じていた
誰かが必ず見ててくれるから 誰かが必ず見つけてくれるから
描いた夢の続きはいつも眩しく輝いていた
選んだのは紛うことなくわたしで
責められるべきはわたしの他にいない
描いた先の景色はいつのまにかぼやけて滲んで消えていく
見えない 何も見えない
信じていた未来も信じられない
ただ真っ黒な夜のど真ん中 何処へ行く