「挙式の日はもう決めたのか?」そうつぶやいた父の背中が
やけに小さく目に映って まるで嫌がっているみたい
「あんたも結局似た人を選ぶのね」と台所で
少しからかうように ひょうきんに 洗い物をする母
窮屈だった日もあるけどいつも一緒にいれたから
反対もするけど本当にしたいことは全部やらせてくれた
困っている人は放っておかない 人を大事にする姿も全部
ちゃんとした大人の背中をいつも見せてもらった
幼い日の記憶はいつも 二人はとても忙しそうで
私はお手伝いばかりと 恨んだ事もあった
なんでお弁当屋さんの子に生まれてしまったのかなと
いつも厳しく叱られたけど おかげで今どこに行ったとしても
困りませんねと 周りの人に褒められるから感謝しています
いつも一緒に過ごせたから 私は学んでこられた
だからきっと彼を選べたんだよ
馬鹿を見る程にお人好しで 困った人は放っておけなくて
どこか二人と似てしまう彼を心から愛おしく思えるの
いつも二人と過ごせたから 私は幸せでした
とても幸せでした