うるうると風も濡れる五月雨に
鳴く声はただ静かに木霊する
徒然に過ぎ去る日を懐かしみ
君の名を愛しき名を口にする
永遠に囚われるふりをしてキスをした
まるで夜露を纏ったような君の髪に触れながら
夢を見た君の胸で眠る夢
甘やかな香り 君が放つ頃
雨音がただ静かに窓を打ち
悲しみが頬をつたい流れ落つ
目が覚める
ゆるゆると朽ち果てゆく森のように
この身さえ風となり塵となりぬ
徒然に過ぎ去る日よさようなら
君の名を愛しき名を胸に抱く
[ Romaji ]
湿った風景と静かな情感を繊細に織り合わせた表現が印象的で、雨音や夜の匂いが心の奥にそっと触れるように感じます。過去に抱いていた切なさが確かにあったと気づかされる場面があり、言葉にできなかった思いを胸に秘めていた時期があったことが伝わってきましたが、今はその記憶と向き合いながら穏やかに歩もうとする意志が見えます。比喩が豊かで情景が立体的に浮かび、抑制された語り口がかえって感情の輪郭を際立たせていました。静謐さと受容が同居する筆致が心にしみ、香りや触感を思わせる描写が場面を満たしていました。