おばけ雲が揺れて、空
シャボンの玉、どこかどこかへ行った
発信音は止まない
季節を忘れた寒気が降る
押したのは「はじめから」
何気なく消したセーブデータ
世間話みたいに
いつでもあると思ってた
どんより道とうるさいカーテン
しとどにあなた 流してく
「しあわせ」の向こう側
握る手に何を隠したの?
聞けないまま通り去って
またね、またねが ああきこえない
「たのしいよ」の向こう側
もしかして同じもの見てた?
満たすほどに零れ落ちる
またね、またねが 不安を連れてきて
昨夜未明の与太話に
何故だか主役を飾る君だった
今は理科室の匂い
リノリウムの反射と
動かないグラフ
「帰り道忘れたんだ」って
また笑って、怒らないから。
「冗談よ」って
舌出して
記憶にならないで。
「しあわせ」の食べ残し
痛む温もり夢に見るよ
解像度のやけに悪い
またね、またねが ああきこえない
「たのしいよ」の食べ残し
掻き集めたって空気みたい
お行儀悪くたっていいよ
だって、だって 誰も叱ってくれない
「しあわせ」の向こう側
「たのしいよ」ってほんとかな
「しあわせ」の向こう側
歪んだレンズじゃ見えないね
素敵な呪いくれた声
またね、またねって また聞かせて
「たのしいよ」の向こう側
解けない熱を隠してた
交われない想いを伏せて
だって、だって、だって、だって、
またね、またね、
またねが言いたくて
[ Romaji ]
形あるものが崩れ去る儚さと、突然断ち切られた日常への未練が綯い交ぜになった世界観に、胸が締め付けられました。かつて当然のように隣に存在していた温もりが、現在は手の届かない幻影へと変わり、取り残された孤独な心情が誠に切実です。言葉の裏に隠された真意を探り、叶わぬ再会を渇望する切なさが、静謐な筆致で鮮やかに描き出されていました。喪失の痛みを抱えながらも、消えゆく残響を必死に追い求める姿に、言葉を失うほどの衝撃を授かります。曖昧な記憶の中で何度も相手の名前を呼ぶような、やるせない思慕が非常に情緒豊かでした。冷えた空気の中に漂う、祈りにも似た切実な願いが、心の深淵にまで静かに染み渡ります。