声のよいのに 唄せてきけばよ「ドッコイショ」
夏の柳の せみの声「ホーサヨイサヨイ」
声のよいのと 女のよいのよ「ドッコイショ」
誰も見たがる きゝたがる「ホーサヨイヨイ」
私しゃあんたを 心から好きなよ
着てる着物の がらまでも
よしておくれよ その手にゃのらぬよ
わたしばかりじゃ あるまいし
私しゃ音頭とって 踊らせるからよ
夜明けがらすの わたるまで
唄え踊れで こよいもあけるよ
あすの晩から かごの鳥
踊り踊らば 三十盛りよ
三十すぎれば 子があどる
三十すぎても 踊らば 踊れよ
踊る雀は 百までも
[ Romaji ]
故郷の夏を彩る賑やかな祭囃子と、人々の威勢の良い掛け声が響き渡る情景に、胸が踊るような懐かしさを覚えました。かつては人目を気にして恥ずかしがっていた乙女も、現在は夜明けを告げる鳥の声が聞こえるまで、無我夢中でステップを刻み続けています。年齢を重ねても枯れることのない情熱を、雀の如き奔放な魂に例えて謳い上げる心意気が非常に粋で、伝統の持つ底力を感じました。恋の駆け引きを楽しみながらも、日常の制約を忘れて踊りに没頭する刹那の自由が、鮮やかに描かれています。土地に根ざした力強いリズムに乗せて、明日への活力を分かち合う様子が、夏の夜空に輝く大輪の花火のように眩しく咲き誇っておりました。