ベランダに椅子を出して
グラスを二つ揃えて
風に流れた火薬の匂いに胸踊る
華やぐ夜空
土手に座って見ていた
雨が途中で降りだした
濡れて走った
憶えているかい?
遠い夏
スターマイン
子犬 拾った公園も
二人で聴いたあの歌も
帰りたくとも帰れない季節
僕らにはそう、
明日だけがあるんだ
駅へと戻る人の渦に
かつての君を見たような
街の明かりに白けてしまわぬように
そっと瞳 見つめあう
口づけてもいいかな?
あの日の仕掛け花火も
いつかの線香花火も
光も影も消えてなくなれど
今も僕の心に残っている
一瞬は永遠なのさ
昨日のことのようね
永遠もまた一瞬
[ Romaji ]
ベランダの景色がそっと心に触れるような、穏やかで切ない感覚が伝わってきました。夜空や匂いといった五感に訴える描写が豊かで、過去の一瞬が鮮やかに甦る場面に胸が締めつけられましたが、同時に今ここにいる自分の視線も確かに存在していると感じます。思い出の断片がやわらかく積み重なっていく様子が丁寧に紡がれていて、懐かしさに浸りながらも前を向こうとする静かな強さが滲んでいました。短い出来事が永く心に残る不思議さに気づかされ、過去を慈しむ優しさと現在の穏やかな確信が同居しているように思えました。穏やかな語り口が心地よく、夜風に吹かれるような余情が残ります。