十五夜の月の一言メモ
夕方の赤がしずみ、丸い光が静かに浮かぶと、胸のざわめきがやわらいでいくのを感じました。寄り添う気持ちを少しずつ重ねるたびに、境界が薄くなるようで、同じ景色を見上げる行為が心を整えてくれます。星の瞬きはあちこちで誘ってきますが、今ここにあるぬくもりを選ぶと決めた瞬間、夜の広さが味方になります。涙が頬へ出る前に、明るさがそっと受けとめてくれて、言葉にできない想いが穏やかに流れ込みました。離れすぎない距離で耳を澄ませると、やさしい旋律が微風のように伝わり、手のひらの体温まで柔らかくなります。季節が変わっても、夕焼けの切なさは変わらないと知り、それでも光は毎晩少し表情を変え、心を落ち着かせる場所へ案内してくれます。特別な夜に限らず、日々の淡い時間の中でも、この丸い灯りへ気持ちをゆだねると、ふたりの間に静かな橋が架かるようで安心でした。今は先を急がず、同じ月のもとで呼吸をそろえ、まあるい光の下にそっと願いを置いておきたいと思います。